2017.07.31
歯と歯の重なる量が多ければ多いほど、抜歯が必要だと思う方も多いのではないでしょうか。
今回は叢生量が中程度あり、他院でも抜歯を勧められたケースですが、当院で抜歯なしで部分矯正した症例を紹介します。
前歯の歯並びがガタガタしており、前突とウィンギング(正面の上前歯2本に角度がついて天使の翼のように見えること)が見られました。叢生(歯の重なっている様子)も中程度で見受けられ、他院で抜歯を勧められたのが妥当でもある状態でした。
患者さまのご要望は、抜歯をせずに前歯の部分矯正で治したいというものでした。
実際、お口をみると奥歯にも左右のずれが見受けられ、全顎矯正も選択肢としては考えられましたが、今回は部分矯正で進めることになりました。
非抜歯で前歯の部分矯正で治療をしていく上では、歯の動くスペースを確保することが課題でした。
歯の動くスペースを確保する手段として、ディスキングといって歯と歯のコンタクト面をわずかに削合することが一般的です。この患者さまは歯の1本1本が大きくてディスキングも十分にできたのですが、それでも十分なスペースは確保できませんでした。そこで、歯列をわずかに前方に拡大することで、非抜歯での部分矯正治療が可能になりました。
上下ともに歯の裏側(舌側)にワイヤーをつける裏側矯正で治療します。
奥歯のずれは修正できませんので、前歯の正中の一致は難しいと予測され、患者さまも了承の上、治療開始となりました。
治療プラン通り前歯の位置や角度が動き、前歯の歯列が整いました。
わずかに前方に拡大した歯列も、歯槽骨の上にのり、自然な仕上がりになりました。
治療開始時から予測された正中の不一致は修正できませんでしたが、ズレをわずかに抑えることはできました。
患者様の属性 | 27歳女性 |
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矯正期間 | 11カ月 |
矯正装置の種類 | 裏側矯正 |
矯正装置の料金(税別) | 600,000円 |
処置料(税別) | 8,000円 |