2018/5/9 最終更新
うちで治療する患者さんって、裏側(舌側)矯正を選ぶ方が多いですよねー。
そうだね。うちにくる患者さんは美意識が高い女性が多いのか矯正期間中もキレイでいたいと思うみたいだねー。
でも、先生、ぶっちゃけですよ?治療する側からしたら、表側(唇側)矯正のほうが楽じゃないですか?
うーん、確かにドクターがする工程は増えるね。でも、患者さんは、歯が綺麗に並んでいくのが見えて嬉しそうだから僕は裏側矯正の方が好きかなー。
そうなんですね。裏側矯正って、歯の位置のコントロールも難しくないですかー?
確かに表側から治療する場合と比べて装置をつける部分が狭いから、微妙なコントロールが必要になるね。でもドクターが技術を磨けばいいだけだからね。
始めのうちは難しいかもしれないけど、裏側矯正は、装置をしっかり作ればワイヤーから歯の一本一本に力が伝わって、歯のポジションは正確にできるようになるよ。
私も専門医としてもっと裏側矯正のテクニックを磨きます!!!
いいね。じゃぁ、マコちゃん、まず裏側矯正について患者さんにわかりやすくメリットデメリットを説明できるかい?
裏側矯正とは
裏側矯正(別名:舌側矯正、リンガル矯正)とは歯の舌側に矯正装置をつけ、ワイヤーで歯列を矯正する治療法です。
マウスピース矯正同様、「目立たない矯正装置」ですが歯に直接装置をつけるため、歯の一本一本に力が伝わりやすくコントロール性に優れているのが特徴です。
矯正装置は、医院によって色んな呼び名が使われていますが、基本的にはこの3種類です。
裏側矯正では、写真のように歯の裏側に装置を着けます。
裏側矯正で治せる症例
ワイヤー矯正で治せる症例は、基本的にすべて裏側矯正でも対応しています。
つまり、表側矯正でできることは、裏側矯正でできます。
裏側矯正のほうが有利な症例
矯正装置の種類によって、歯への力のかかり方は若干異なりますが
それは治療期間に影響するほどではありません。
つまり、表側矯正と裏側矯正では、治療期間に差は出ません。
裏側矯正で治せない症例
発音への影響が強い方
歯と舌の間に矯正装置を入れるため、十分なスペースがない方は
「発音への影響」が強くなり、お勧めできません。
骨格要因の症例
裏側矯正は、歯の位置や向きを動かせますが、骨格を動かすことはできません。その場合は、矯正ではなく外科的治療をお勧めする場合があります。
裏側矯正のメリット
コントロール性の高さ
ブラケット(装置)を歯に装着するため、ワイヤーから歯に直接力がかかるのが特徴です。
そのため、確実に歯の位置をコントロールすることができます。この点において、マウスピース矯正よりも優れていると言えます。
外から装置が見えない
矯正装置を歯の裏側につけるため、基本的に外からは見えることはありません。
歯医者がお口をのぞき込む体勢になって、ようやく見えるイメージです。
・結婚式や就職、撮影などを控えている方
・経営者・営業職をはじめ、人前に出る職業の方
も多く選んでいます。
治療中、歯並びが綺麗になるのが自分で見える
裏側矯正は、歯並びが変わっていく姿を毎日見ることができるのが好評です。
対照的なのは表側矯正で、動的治療が終わり、装置を外した時点で
ようやく綺麗な歯並びを見ることができます。
食事の時に食べ物のカスが詰まっても見えない
ワイヤー矯正は、表側矯正でも裏側矯正でも、食事中に食べ物のカスが詰まる難点があります。
特に表側矯正ではそれが周囲の人に見える可能性がありますが
裏側矯正であれば、周囲の人から見えづらいです。
この点においても、気になるのは矯正しているご自身だけとなります。
比較的、虫歯になりづらい
裏側矯正の場合、唾液の自浄作用が働くため、比較的「虫歯になりづらい矯正装置」と言えます。
万が一、虫歯になったとしても、歯の裏側は表側よりもエナメル質が分厚いため
比較的「虫歯が進行しづらい」と言えます。
裏側矯正のデメリット
裏側矯正に精通した矯正医が少ない
裏側矯正は矯正医が行う工程が表側矯正よりも複雑で難易度が高く
そのため精通した矯正医が少ないのが現状です。
裏側矯正を希望する方は、矯正医選びを慎重にしたほうが良いと言えるでしょう。
また、以下で紹介するような影響が日常生活に出てきます。
矯正中の日常生活と注意点
裏側矯正の矯正期間中に影響が出る点は、「痛み」「食事」「お手入れ」「発音」の4点です。
痛みについて
矯正期間中は、実際に歯が動いていく期間です。
その期間は、定期的にワイヤーを調整して、歯の位置をコントロールします。
痛みがでやすくなるのは、「ワイヤー調整の当日~数日間」です。
痛みに弱い方は、初診の際にご相談ください。
治療期間を長めにとって、ゆっくりと歯を動かすなどの対応が可能です。
お食事について
矯正期間中は、以下の食べ物は控えてください。
- ひっつきやすい食べ物・・・ガム、キャラメル、お餅
- 硬い食べ物・・・ナッツ類
また、痛みが強く出た場合、硬い食べ物を食べるのがツライ場合があります。
その時はリゾットやうどんなど、柔らかいものを食べましょう。
詳しくは、装置装着時やメンテナンス時にもお話ししています。
お手入れについて
ワイヤー矯正全般に言えることですが
歯に装置をつけるため、歯と装置の間に食べ物のカスが詰まりやすくなります。
お手入れは、歯間ブラシを使って、歯と装置の間をお掃除します。
矯正装置をつける時に、お手入れ方法を指導しています。
発音について
裏側矯正は、舌と歯の間に矯正装置を着けます。そのため、(個人差が大きいですが)発音や滑舌に影響が出る方がいます。
特に舌と歯の間のスペースが狭い方、舌が大きい方は注意が必要です。
※あまりに影響が強いと予想できる方は、裏側矯正を勧めない場合があります。
ありがとうございます!先生、ちょっと質問があるんですが。
裏側矯正の適応症例については、医院によって違うみたいですが、どうしてうちの医院では、いろんな症例に裏側矯正ができるんですか?
それは僕の腕だよ!!と言いたいところだけど(笑)強力な助っ人がいるからかな。
うちの院内ラボには、裏側矯正に慣れた技工士さんがいるから
良い矯正装置を作れるんだ。
逆を言えば、いい技工士さんと組めないなら、今みたいな仕上がりは難しくなるかもね。
え~~!そこまで違うものなんですね。技工士様様ですね。
本当だね。今日のランチは、せっかくだから技工士さんと行こうか♪
この記事について
記事名
裏側矯正について
説明文
歯科矯正の見た目が気になる人必見!裏側矯正の実力とは
執筆者
矯正専門歯科 三橋矯正デンタルオフィス